自分で撮りたいネットショップオーナーのための、商品写真撮影Webセミナー
「蕎麦(そば)」の撮影
ISO:200 / 露出補正:-1.3 / ホワイトバランス:オート / 絞り値:F5.9 / シャッター速度:自動
画像加工:明るさとコントラストの微調整。背景の造花を選択してややボカし加工。パッケージ写真との合成。湯気。
撮影用照明:RIFA-F40x40cm1台(前面のディフューザーを外して使用)
そこで、「蕎麦」の撮影、特に、料理として提供される状態で、もり蕎麦と、これから恋しくなる温かい蕎麦との2つのパターンについて、主に解説することとします。
ショッピングサイトのページで使うということを前提として、できるだけ実践的になるよう、単なる撮影技術だけではなく、見せ方などの演出テクニックや考え方も含めた、「photo-zemi(フォトゼミ)」ならではの視点で解説していきますので、「蕎麦」を撮影するときの参考にしてみて下さい。
「蕎麦(そば)」の撮影 ------ 目 次 ------
1.「キービジュアル」って? 2.アップにするか全体を見せるか 3.「蕎麦」の魅力で勝負する 4.料理として美味しそうに見せる
1.茹でる前の蕎麦の撮影 2.パッケージに入っている蕎麦の撮影
1.料理写真とパッケージ写真との合成 2.キャッチコピーを加える 3.フリー素材との合成
□オマケ:フォトゼミ・ラボ【実験No.04.スマホの動画は使えるか?】
キービジュアルとなる商品写真の撮影
まずは、「キービジュアル」となる写真からいきましょう。
1.「キービジュアル」って?
「メインビジュアル」とも言われ、どちらが正解か不正解かはよくわかりませんが、ホームページやネットショップのページで、位置・大きさ・アピール度などなど、最も視覚的に訴求力を持つ(持たせる)画像(写真に限らずイラストなどの場合もあります)のことを言います。
ネットショップでは、ほとんどの場合、ページの最上部にある大きな写真が「キービジュアル」に相当します。
2.アップにするか全体を見せるか
キービジュアルとなる商品写真のいちばんの目的は、「紹介している商品や情報に興味を持ってもらうこと」だと思います。
ネットショップで蕎麦を買おうと思っているユーザーが、他のネットショップに行ってしまわないように、ともかくは、そのページに足止めする効果のある写真が必要なのです。
蕎麦の販売ページなら、当然「美味しそう、食べてみたい」と思ってもらうことで、興味を持ってもらって足止めでき、ページを先へと読み進めてもらえる可能性が高くなります。そうすることで、注文にも繋がりやすくなるでしょう。
では、どんなキービジュアルにしたら良いのか。
「美味しそう」と思ってもらいたいのですから、茹でる前の蕎麦ではなく、茹でて器に盛り付けた「さあ、どうぞ召し上がれ」という状態の写真がいいのはわかります。迷ったのは、茹でて盛り付けた蕎麦を、アップでドーンと見せるのか、器に盛り付けた全体像を品良く見せるのが良いかです。
頭の中だけで考えていてもわからないので、実際に、蕎麦を販売しているネットショップを何店か見てみました。
■「楽天市場」と「ヤフーショッピング」で調べてみました
下のグラフは、「楽天市場」と「ヤフーショッピング」で、“蕎麦”と検索して、検索結果に表示された30店舗(重複店舗なし)の商品販売ページを見てみた結果です。(2014年10月某日)
・もり蕎麦など、冷たい蕎麦をキービジュアルとして使っている場合
・天ぷら蕎麦など、温かい蕎麦をキービジュアルとして使っている場合
※楽天市場では、検索結果を「レビューの多い順」に並べたときの上位店舗
※ヤフーショッピングでは、検索結果を「売れている順」に並べたときの上位店舗
※楽天市場とヤフーショッピングそれぞれの検索結果から、合わせて30店舗の結果
※温かい蕎麦の合計が30に満たないのは、
冷たい蕎麦の写真しか使っていない店舗があるため
※アップと全体像の併用とは、アップと全体像の二つの写真を組み合わせて、
一つのキービジュアルにしている場合
この結果から、
・冷たい蕎麦の写真 → アップで見せる店舗が多数
・温かい蕎麦の写真 → 冷たい蕎麦と比べて、全体像を見せる店舗が増加
という傾向があることがわかりました。
また、冷たい蕎麦の写真では、下のような「箸上げ」という状態でアップで撮影したものが多かったです。
photo-zemi(フォトゼミ)としては、今回調べた結果を大前提として、この後の解説を進めていくこととします。
3.「蕎麦」の魅力で勝負する
多くの店舗が採用している見せ方は、他店と似たような印象になりやすいというデメリットはありますが、結果(足止め→注文)に繋がる実績があるからこそ、採用している店舗が多いとも考えられます。
反対に、少数派の見せ方をすれば、他店とは違う個性を出せるかもしれませんが、結果(足止め→注文)に結び付けられるかどうか、まったくの未知数と言えそうです。
アップか全体像か、どちらの見せ方を選ぶかはショップ運営者様の判断次第ですが、どちらの場合でも、商品写真そのものの出来栄えが重要になることは言うまでもありません。
そこで、いよいよ(というか、ようやく)撮影方法についての解説とまいりましょう。
まずは、蕎麦そのものをいかに美味しそうに見せられるかです。
■もり蕎麦をアップで撮る
蕎麦の色・太さ、といった形状はもちろんですが、ツルっとしたのど越しや香りなど、味わいまでもが想像できるような商品写真にしたいところです。
そのためには、アップで大きく見せる写し方が必須となります。
ちなみに、もり蕎麦を、器を含めた全体像を見せるような写し方をしてみたのがこの写真です。
実店舗のお蕎麦屋さんのメニュー写真として考えるなら、こういった撮り方の方が良いのかもしれませんが、ネットショップのキービジュアルとしては、迫力不足というか、訴求力が弱く、足止め効果は期待できなさそうな印象です。
蕎麦そのものを見てもらいたいのですから、アップでドーンといきましょう。
やっぱりこれですね。
ネットショップにおいて商品写真が重要な理由は、何と言っても、パッと見ただけで直感的に感情や感覚を刺激できるからだと思います。
特にキービジュアルでは、その役割は、より大きなものとなります。
人間で言えば、「肝心なのは中身だけど、まずは第一印象が大切なんだよね」といったところでしょうか。
第一印象で興味を持ってもらえなければ、肝心の中身をアピールする機会さえ作れない、そう考えて、蕎麦の魅力が写真全面にあふれるように、しっかりとアップで、印象度優先で撮影することを心がけましょう。
1)背景や小道具類のセッティング
蕎麦をアップで撮ると言っても、写真には蕎麦以外の周辺のものも写ります。背景や画面を飾る小道具、ちょっとだけではあっても器も写ります。それらもきちんと考えて、用意し、配置することが大切です。
こんなふうに考えてみてはどうでしょう。
例えば、お友達が紹介してくれた方と、初めてのデートをするとします。
日本情緒漂うようなところがいいのか、ライトアップされた街にするか、など、初デートの場所
クリスマスツリーや美しい夜景、といった、初デートの場所にある、あるいは、見えるもの
初デートに着て行く服装
肝心なのは中身、ではありますが、初めてのデートともなれば、第一印象をより良いものにするために、どれも重要な要素として考えるのではないでしょうか。
キービジュアルのように、印象度を優先する商品写真でも、これらがとても大切なのです。
具体的には、背景、小道具、器を、次のように考えて準備しました。
蕎麦は日本を代表する食品のひとつです。そこで、和を感じられるように、木のすだれを背景として使います。
季節感が感じられるような小道具を用意します。
「秋」ならば造花のもみじが良さそうですが、今回は「冬」を連想できそうな造花などを用意しました。
日常的に使うものではなく、とは言えあまり背伸びし過ぎない程度の、ちょっとだけ特別感があるような器を選ぶのがコツです。
背景や小道具の準備ができたら、デジタルカメラのモニターを見つつ、それぞれの配置を決めます。
このとき、かなり低い位置から撮影するようにデジタルカメラの位置決めをすると、よりインパクトのある写真にできます。
実際に蕎麦を撮影した写真で比較してみて下さい。
低い位置から撮影した方が、印象度が高まり、蕎麦自体もわかりやすく写せます。印象度やインパクトを優先する場合は、低い位置から撮影した方が良い場合が多いと覚えておいて下さい。
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