自分で撮りたいネットショップオーナーのための、商品写真撮影Webセミナー
デジカメの様々な設定要素がある中で、よく聞かれるのが「ISO」についてです。
※読み方(呼び方)を調べてみたところ、特に正式な呼称があるわけではなく、「イソ」「イーソ」「アイエスオー」と、3種類のどれかで呼ばれているようです。一般的になっているのは、アルファベットをそのまま読む「アイエスオー」か、あるいは「イソ」のようです。
何年か前なら、「あまり気にせず、オートにしておいて大丈夫です」と答えていました。しかし、最近はちょっと違います。
撮影する商品や、どんなイメージの商品写真を撮りたいのかなどにもよるのですが、この「ISO」について、表面的でもいいから、知識を持っていて、それを活用することで、撮影が楽になったり、今まで撮れなかった写真が撮れるようになったりもするからです。
ISOの設定画面を呼び出すと、AUTO(オート)の他に「100」「200」「400」「800」などの数字が出てきます。
この中からどれかの数値を選ぶことで設定するのですが、その効果を簡単に言うと、
・大きな数値を選ぶほどに、速いシャッタースピードで撮影することができる
・大きな数値を選ぶほどに、撮影環境や撮影用照明の明るさを、今まで以上に、
気にする必要がなくなる
このふたつです。
特に、シャッタースピードについてですが、シャッタースピードが速いと、動いている被写体をピタリと止めたように写真を撮ることができます。
具体的には、薄暗い場所で動いている人物などの被写体をブレないように撮ったり、グラスに注いでいる飲み物を、はっきりと撮る、といった撮影が可能になります。
※商品写真以外でも、スポーツ写真や夜景、花火の撮影などに有効です。
速いシャッタースピードで撮影できると、様々なメリットが生まれます。
「それなら、最初からそういう設定のカメラを作ったらいいんじゃないの?」
と思われるのが当然なのですが、ISOの数値を大きくすることによるデメリットもあるのです。
それは、画質が粗くなることです。
シャッタースピードを速くしたいからと、ISOの数値を大きくするほどに、
画質がどんどん粗くなってしまう
のです。そのため、ISO400くらいが画質が粗くならない上限、というのが一般的な考え方でした。……数年前までは。
商品写真撮影を目的としたデジタルカメラの使用を考えた時、photo-zemi(フォトゼミ)的には、これこそが、
最近のデジカメの一番の進化ではないかと思っています。
デジカメの最大画素数は、年々増えていて、それが最大のアピールポイントのように各メーカーは口を揃えますが、「ネットショップの商品写真」という前提で考えた時には、画素数に関しては、何年も前から、すでにオーバースペックだった、と言っても言い過ぎではないと思います。※大きなサイズで印刷して使用する場合などは別です。
それよりも、ISOの数値を大きくしても画質が粗くならないことの方が、はるかにメリットが大きいと言えます。
上記の大きさで、パッと見た時には、ほとんど違いがわかりませんが、よく見ると、ISO1600とISO3200は、やや鮮明さを欠いています。もっと大きく掲載した場合は、画質の粗さも目立ってきます。
したがって、この撮影に使ったデジカメでは、ISO800までが実用範囲と言えそうです。
※使用したデジカメは、3年程前に発売された、コンパクトタイプのデジカメです。
ISO800、できればISO1600以上でも実用範囲と言える機種なら、
・動きのある被写体をピタッと止めて、なおかつ、精細な写真撮影をすることができる
・撮影用照明に、ますます明るさを求める必要がなくなる
このふたつのメリットが得られます。
これまでは、人物を使った撮影や、動いている物をピタッと止めて撮る場合に、ISOの数値を大きくし過ぎると画質が粗くなってしまうため、撮影環境や撮影用照明に、相応の明るさがなければ難しかったのですが、最近のデジカメなら、ISOの数値を大きくすることで、撮影環境や撮影用照明の明るさを気にせずに、イメージする写真が撮れるようになったということです。
ISOの数値を大きくするほどに、明るさを必要とせず、より速いシャッタースピードで撮影できるのですが、それでも限界はあります。比較例でも説明したとおり、機種によって、ある数値を超えると、やはり画質が粗くなってきます。
ここ数年の一般的なデジカメでは、
ISO800~ISO1600くらいが、画質が粗くならない上限と言えそうです。
今使っているデジカメで、ISOの数値を変えてみて、どれくらいまでが実質的に使用可能な範囲か、試してみて、上限を知っておくことが大切です。
photo-zemiショッピングで販売している、撮影用照明「RIFA(リファー)-F40×40cm」は、取り付けられる蛍光灯が1本だけなので、発売当初は、
「ウチのライトは蛍光灯が●本取り付けられるので、明るい!」
といったアピールで、他社から勝負(?)を挑まれていました。
そのときでも、撮影用照明の明るさに関係なく、「露出補正」を使わなければ、明るい写真は撮れないので、わかる人にはわかっていたのですが、動きのある被写体の撮影を考えたときには、やはり照明の明るさも大切でした。
それが今は、「ISO」の数値を大きくしてもきれいな画質で撮れるため、それすらも気にしなくて良くなったのです。
この進化は、商品写真に限らず、多くの撮影者にとって、とてもありがたい大きな進化だと言えます。
最近のデジカメを使っていて、動きのある被写体を撮影される方は、ぜひ「ISO」の設定を有効活用されることをおすすめします。
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