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「チュニック」の撮影
デジタルカメラ
Canon EOS Kiss X4
露出補正:+1
ホワイトバランス:オート
シャッター速度:自動
絞り値:f8
ISO:400
画像加工
明るさの微調整
切り抜き(約7分)
ドロップシャドー(影)
撮影用照明
RIFA(リファー)-F80×80cm
撮影時間:約5分
上の写真は、ファッション関連商品の写真でよく見られる、商品だけを切り抜いて、立体感を強調するために、影(ドロップシャドー)を加えたものです。
複雑なデザイン(輪郭)の商品でなければ、切り抜き作業も比較的簡単にできるので、画像加工ソフトをお持ちの方は、ぜひトライしてみて下さい。
撮影状況
左の写真が、切り抜きをする前の写真です。
最初から切り抜きを前提として撮影したわけではなく、同じチュニックを、何パターンか撮影した中のひとつです。
また、写真には写っていませんが、向かって右側にはA2サイズの発泡スチロールのレフ板があります。
※レフ板は、カメラのセルフタイマーをセットして、シャッターを押してから、商品の脇に行って、自分の手で持っている状態です。
商品をセッティングするときに気を付けることのひとつに、背景との距離があります。トルソーやモデルが着用した状態で撮影する場合も同じですが、商品が背景に近過ぎると、背景に影ができてしまい、写真全体に奥行きを感じづらく、平面的な印象になりがちです。
撮影スペースの制限があるとは思いますが、商品と背景との距離をできるだけ離すように注意して下さい。
(この撮影では、1.5mくらいの距離をとっています。)
右の写真が撮影状況です。
左側に写っているのは、
撮影用照明RIFA(リファー)-F80×80cmです。
撮影用照明の光だけだと、陰影が強くなり過ぎたので、天井の蛍光灯照明も点灯しています。撮影用照明と、天井の蛍光灯照明とが、同じような光の色を持った種類の場合、このように併用することも可能です。
また、写真では、撮影用照明が商品のかなり近くにあるように見えますが、実際には、
1.5mくらい離れた位置で、やや斜めから照らしています。
大きな撮影用照明があると、衣類の写真も、このような簡易なセッティングで撮れてしまうことを、確認してもらえたかと思います。
ファッション関連商品を、自社で、あるいはご自身で撮影する場合は、大きな撮影用照明の導入を積極的にご検討されることをおすすめします。
ハンガーに掛けた状態
次は、切り抜かずに、ハンガーに掛けた状態のままの写真です。
撮影状況は、前の写真よりも、撮影用照明の位置を、商品の真横に近いところにして、ちょっとだけ陰影を強くしてみました。
当然ながら、背景も商品写真の一部として見えるわけですから、商品のイメージを損なうことのない壁などを選んで撮影することが必要です。適当な壁がない場合は、白い紙や撮影用に壁紙を用意(大きな発泡スチロールのボードに張り付けて背景にする)するなど、背景もしっかりと考えて撮影しましょう。
背景を考えて、撮影用照明を使えば、この程度の写真なら、本当に驚くほど簡単に撮れてしまうものです。
もちろん、商品の色や素材、デザインなどによって撮影の難易度は若干違ってきますが、商品をきちんと見てもらうための、カタログ的な撮り方ならば、自社あるいは自分でも十分に撮れてしまうことが分かってもらえるかと思います。
トルソーに着せた状態
チュニックをトルソーに着せた状態ではどうでしょう。
白い背景を使った標準的なパターンと、思い切って黒い背景で、陰影を強くして撮ってみたパターンです。
どちらが良いか悪いかではなく、商品の持つイメージや、ユーザーが望んでいそうなイメージに合わせて撮影することが基本です。
左の写真は、メインで使った写真の撮影状況とほとんど同じです。
右の写真は、背景を黒にしただけではなく、撮影用照明を商品の真横くらいに移動して(距離は1.5mくらい離れています)、レフ板を使わないことで、陰影を強くしています。また、天井の蛍光灯も消灯しました。
どちらも、これまで同様、さほど手間を掛けることなく撮影できました。
このように、背景を変えたり、撮影用照明の位置を変えることで、同じ商品であっても、ずいぶん印象を変えることができます。これは、モデルを使った撮影でも同様です。
標準的な見せ方だけにとらわれず、その商品をどんなイメージで見てもらうのが良いかを考えて、背景や光のあて方を工夫してみることも大切です。
まとめ
ここで被写体としたチュニックは、白と黒のモノトーンなので、色再現の問題は発生しませんでしたが、様々なカラーの商品でも、デジタルカメラの「ホワイトバランス」の正確な調整が必要になるかもしれないということ以外、撮影方法としては変わりません。
チュニックだけでなく、衣類を撮影する場合は、光のあて方が大切で、それによって見え方(商品写真の印象)が変化します。
しかしそれも、質の良い光を生み出す大きな撮影用照明(ここでは80×80cmの発光面を持つ照明を使いました)があれば、特別な知識がなくても、感覚的にできてしまうものなのです。
モデルを使った本格的な撮影などは、外部委託してしまう方が良いのかもしれませんが、商品だけを撮影するのであれば、社内でも撮影できる環境を作っておくことで、よりタイムリーなショップ運営を可能にしてくれるのではないでしょうか。
そのとき、衣類をはじめとするファッション関連商品の写真撮影においては、「道具に頼ってしまう」という考え方が、ベターであると強く実感する結果となりました。
「衣類などの素材感」の撮影 (2014/10/12追加)
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