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■撮影商品ジャンル
オークション

「オークション出品商品」の撮影

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特別な道具を何も使わずに撮影したオークション写真の例
■撮影データ

デジタルカメラ:
Canon PowerShot SX230 HS
露出補正:+1
ホワイトバランス:オート
シャッター速度:自動
絞り値:自動   ISO:自動
画像加工
明るさとシャープの微調整
撮影用照明:なし
撮影時間:約15分

デジタルカメラは、実売価格1万5千円程度の普通のコンパクトタイプのデジカメ。
このあとの写真も、すべて、同じデジカメを使って撮影しています。

デジカメの操作は、露出補正だけをきちんと調整して、あとはカメラ任せのオート状態。

照明は、天井の照明も使わず、日中の室内の明るさだけで撮影。その他の写真も室内の自然の明るさだけで撮影しています。

撮影時間のほとんどは、スカートの裾を広げるための細工に掛かった時間です。

■撮影のポイント
  オークション出品商品ということですが、ここでは、「個人での出品」を想定した撮り方のコツやポイントを解説します。
  ネットショップと大きく違うところは、新品ではなく、中古品というケースが多いという点だと思います。すでに使われた商品ですから、何らかの傷や汚れがあったりするでしょう。それを、ユーザーにきちんと伝えなくてはなりません。
  また、掲載できる商品写真の数にも限りがあるため、どこをどのように見せるかをしっかりと考えた上で、撮影することが必要です。
  そのあたりを踏まえて、アマチュアにもできる、オークション出品商品の撮り方について考えてみましょう。

やってはいけない3つのこと

  オークション出品者のほとんどの方は、撮影用の照明など持っていなくて、自宅の限られた条件の中で撮影すると思います。
  その中でも、「これをやってはダメ」ということが3つありますので、まずは、その3つを知って下さい。

1.デジカメのフラッシュを使ってはダメ

  ときどき見られる、イマイチなオークション写真に、こんな写真があります。

画面の中の一か所が光ってしまっているオークション写真の例

  写真の中の一か所に、白い明るい部分があります。これは、デジカメのフラッシュの光が反射して、白く光ってしまっているのです。
  フラッシュを使うと、上の写真のように、一点だけが光ってしまう、強い影ができる、コントラスト(陰影)が極端になる、といった、見栄えの良い写真とは言えない結果になってしまいます。

後ろに濃い影ができてしまった、オークション写真の例

強い影ができてしまう

コントラストが極端についてしまったオークション写真の例

コントラストが強過ぎる

  ですので、商品写真を撮影するときには、"デジカメのフラッシュは使わない" というのが、基本中の基本です。

  多くの方は、室内で撮影する場合、外のように明るくないので、フラッシュを使わないと明るい写真が撮れないと思っているようですが、それは間違いです。
  フラッシュを使わなくても十分に明るい写真が撮れます。そもそも、撮影場所の明るさと、写真の明るさとは、ほとんど関係がないのです。


  では、どうやったら、フラッシュを使わなくても明るい写真が撮れるのか。
「A教室・デジタルカメラの必須操作」でも説明していますが、明るい写真を撮るために欠くことができない、デジタルカメラの操作方法を知りましょう。

  とても簡単な操作ですので、入札を増やすために、落札価格が少しでも高くなるように、面倒くさいと思わず、ぜひ習得して下さい。

1)フラッシュを使っても、撮影場所が明るくても、
    だからと言って明るく写るわけじゃない

  まず下の写真を見比べて下さい。

デジカメのフラッシュを使って撮影した白い服の写真

デジカメのフラッシュを使わずに撮影した白い服の写真

明るい場所で撮影した白い服の写真

  どれも、デジカメ任せの「オート」で撮影していますが、

        a  フラッシュを使って撮影した写真
        b  フラッシュを「発光禁止」にして撮影した写真
        c  窓際の明るい場所で撮影した写真

  となっています。

  写真全体の明るさを比べてみて下さい。撮影対象である被写体は、白を基調としたものですが、どれもが、明るさが不十分と感じます。
  フラッシュを使ったからといって、あるいは、明るい場所だからといって、明るく撮れるのではない、ということがわかります。これは、すべてのカメラに共通して言えることです。

  では、いったいどうすれば、もっと明るい写真にできるのか。
  そのためには、「露出補正(ろしゅつほせい)」という機能を操作する以外にないのです。

2)「露出補正(ろしゅつほせい)」の操作方法

  「露出補正」を操作・調整することが、明るい写真を撮るために必須となるので、ほとんどすべてのカメラに備わっている機能です。

操作手順1.露出補正の調整画面を呼び出す

  デジカメ本体ににたくさんついている操作ボタンの中から「露出補正」または「EV(露出補正を表す英文字記号)」もしくは、露出補正のマーク このマークがあるボタンを押して下さい。
  お使いのデジタルカメラの操作ボタンの中に、そのようなボタンがない場合は、メニュー画面を呼び出し、「露出補正」または「EV(露出補正を表す英文字記号)」、
もしくは、露出補正のマーク このマークを選択して下さい。

※機種によっては、オート設定のままでは、露出補正ができないカメラもあります。その場合は、オート設定ではなく、「P(プログラム)」というモードに設定して下さい。
「P(プログラム)」というモードがない場合は「マニュアル」に設定します。
もしどうしても露出補正の調整画面が見つけられない場合は、取扱説明書で確認し、必ず操作できるようにして下さい。露出補正は、写真撮影にとって、極めて重要度の高い機能です。

操作手順2.露出補正を操作・調整する

  露出補正の調整画面を呼び出すと、目盛りや数字が表示されます。何もしない状態では、目盛りまたは数字は「±0」となっているはずです。(目盛りと数字両方が表示される機種と数字だけが表示される機種がありますが、どちらも調整方法は同様です。)
  この数字は、「+(プラス)」側または「-(マイナス側)」のどちらかに、数値を増やしていくことができ、調整方法の基本としては、次のようになります。

「+(プラス)」側に数値を増やすほどに、明るさを増した写真が撮れる
「-(マイナス側)」に数値を増やしていくと、写真はどんどん暗くなる

露出補正を操作・調整したときの写真の明るさの確認画像露出補正の目盛りのイメージ

  このように、撮影場所の明るさとは関係なく、露出補正を調整することで、暗くてほとんど見えない状態から、明る過ぎると言えるくらいの範囲内で、撮影者の意図するとおり、ほぼ自由に明るさを調整して撮影することができるのです。


  では、前に例として使った被写体を、露出補正を操作して、もう一度撮影してみます。

露出補正を行って撮影した白い服の写真

  しっかりと明るく撮れました。

  フラッシュを使って撮影した写真と比べてみると、フラッシュを使わず(発光禁止にする)、露出補正を操作して撮影した写真の方が、グッと印象が良くなることがわかります。

デジカメのフラッシュを使って撮影したリュックの写真
デジカメのフラッシュを使わずに露出補正を行って撮影したリュックの写真

  フラッシュを使っても明るい写真が撮れるわけではなく、かえって見づらい写真になってしまうだけです。

  露出補正を覚えて、しっかりと明るい写真を撮れるようになることは、より良いオークション出品商品の写真を撮影するために、避けては通れないことなのです。

※「露出補正」についてもっと詳しい解説は
「A教室・デジタルカメラの必須操作・露出補正」をご覧下さい。


2.床や畳の上で、そのまま撮ってはダメ

  これも、例を見てみましょう。

床の上に置いて撮影した帽子の写真
畳の上に置いて撮影したバッグの写真

  いくら個人出品とは言え、中古品とは言え、商品価値を感じづらいと思いませんか?
  特に畳の上というのは、"みすぼらしい" 感じさえしてしまいます。

  ネットオークションのみならず、商品写真では、「背景」が重要な役割を持っていることを、ぜひ、知っておいて下さい。

1)背景を整えるだけで、写真は変わる

白い紙の上で撮影した帽子の写真
白い紙の上で撮影したバッグの写真

  床や畳ではなく、背景(商品の下)に白い紙を置いて、撮り直してみた写真です。
  白い紙の上で撮る、たったそれだけのことで、印象が明らかに変わります。

  出品者自身は、出品する商品の写り方ばかりを気にしがちですが、ユーザーの目には、商品と同時に背景も見えています。背景も含めて、ひとつの写真として見ているのです。

  床や畳が見えてしまうことで、生活感のようなものを感じてしまい、「出品商品を使っていた人」を想像してしまいます。
  誰かが使っていた中古品であることが分かってはいても、それがストレートに感じ取れてしまうと、気持ちがちょっと "引いて" しまうのではないでしょうか。
  できるだけ出品商品だけに注目してもらうためには、背景に余計なものが写らないように、白い紙を背景として撮影することが基本です。

  写真に写る範囲を完全にカバーできる大きさであれば、画用紙でもカレンダーの裏でも、何でもいいので、白い紙を背景とすることを、オークション出品商品の撮影の基本としましょう。

※大人の洋服を撮る場合、背景として画面全体をカバーできるような大きな白い紙を持っていることはほとんどないでしょうから、別の方法を考える必要があります。これについては、この先で、撮影方法の提案をさせてもらいます。


立体的な商品を撮影する場合

ネットオークションの商品撮影での、背景紙のセッティングイメージのイラスト

  背景の後ろ側を、壁にピンで留めたり、椅子の背にテープで張るなどして持ち上げるようにします。
  商品を置く位置は、背面からできるだけ離して置き、また、背景が折れてしまわないように、気をつけましょう。全体が平面的で、どことなく "ダサい" 印象になってしまいます。

背景に折りジワができてしまっているオークション写真の例

商品を背面近くに置いて、
背景が折れている

背景がきれいにセッティングされているオークション写真の例

商品を背面から離して置いて、
背景にカーブを持たせている

その他の背景の注意点

・画面全体をカバーする大きさが必要

  「少しくらいまあいいか」と、白い背景が画面全体をカバーできていないと、それだけで、写真の印象は変わります。
  必ず、画面全体をカバーできる大きさの紙を使って下さい。

背景の大きさが足りないオークション写真の例1
背景の大きさが足りないオークション写真の例2
・シーツなどの布は避ける

  「白ければいいんじゃないか」と、シーツのような布を背景としているオークション写真もよく見かけます。

シワが目立つシーツを背景に使ったオークション写真の例1
シワが目立つシーツを背景に使ったオークション写真の例2

  問題は、シワです。これがとても気になるのです。「やっつけ仕事」で撮った写真、といった印象になり、商品価値を高めることができません。薄い紙を使った場合も同様のシワや折り目が着いてしまいますので、注意が必要です。
  背景は、カレンダーや画用紙くらいの厚みを持った白い紙を使うように心掛けましょう。

※何度もオークションに出品する可能性がある場合で、家の中に手頃な紙がなければ、文具店などで大きな白い紙を購入してでも、準備しておくことをおすすめします。それほどまでに、背景は写真の印象に影響するのです。

※背景についてもっと詳しい解説は
「B教室・撮影前に用意しておきたい道具」をご覧下さい。


3.電球色で撮ってはダメ

  出品商品を、できるだけ実物に近い色で撮影したいのは言うまでもありません。
そのためには、白熱電球や電球色の蛍光灯照明の部屋で撮影するのは避けるようにします。

電球照明の室内で撮影したオークション写真の例1
電球照明の室内で撮影したオークション写真の例2

  このように、照明のオレンジ色の光が影響した写真になってしまいます。


  デジカメの操作に慣れていて、「ホワイトバランス」という色の調整機能を使いこなせるのなら、問題を解決できますが、そうでない場合は、オレンジ色の光を発する、白熱電球や、電球色の蛍光灯照明の部屋での撮影は避けるべきです。

  日中の室内照明を点灯していない部屋や、普通の蛍光灯照明の部屋であれば、デジカメは、実物に近い色で写真が撮れるようになっています。(外の天気が晴れているか雨か、あるいは、撮影する部屋の天井照明があまり明るくない、など、室内の明るさは、写真の仕上がりの明るさには影響しません。写真の明るさは、「露出補正」で調整します。)

蛍光灯照明の室内で撮影したオークション写真の例1
蛍光灯照明の室内で撮影したオークション写真の例2

  色の再現については、ユーザーのディスプレイも関係してくるので、完全に思い通りにすることは不可能ですが、より良い結果を得るためには、照明を点灯していない日中の室内か、普通の蛍光灯(天井照明)が良いと覚えておいて下さい。



  さて、ここまで説明してきた、「やってはいけない3つのこと」、

    1.デジカメのフラッシュを使ってはダメ
    2.床や畳の上で、そのまま撮ってはダメ
    3.電球色で撮ってはダメ

  この3項目に気をつけて撮影するだけで、次のような写真が撮れます。

3つのポイントに気をつけて撮影したおもちゃのオークション写真の例
3つのポイントに気をつけて撮影した靴のオークション写真の例

  「可もなく不可もなく」と言ってしまえばそれまでですが、だからこそ、出品商品を、きちんと見てもらえます。
  それが、オークション出品商品の撮影方法の基本と言えるのではないでしょうか。










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