自分で撮りたいネットショップオーナーのための、商品写真撮影Webセミナー
「衣類などの素材感」の撮影
最大のポイントであり、基本中の基本は、光と影の使い方
1.「影」があるからこそ分かる
繊維を織って作られた生地の素材感を写真で表現するために、最も重要なのは、「影」を作って撮影することです。それも「繊維の影」をです。
どんなに細い繊維でも、立体物である限り、必ず「影」ができます。その「影」を、あえてわかりやすくできるように光をあてることで、繊維の集合体である、生地の素材感も伝わりやすくなると考えて下さい。
影ができることで、繊維の織り目の輪郭線となり、素材の感じが分かりやすい写真になります。
生地の素材感を伝える商品写真では、織り込まれた繊維それぞれの影を作るようなイメージで、「一方向からだけ光をあてて撮る」ことが大切なのです。
光があたっているところと影になるところ、この二つがあることで、編まれ方・織られ方がわかる写真になるのです。どんなに細い繊維で織られた(編まれた)生地であってもです。
全体にバランス良く光をあてた写真
一方向からだけ光をあてた写真
生地の上に重ねられたり、編み込まれたりしているレースも、繊維の影を作るようなイメージを持って、一方向からだけ光をあてることで、よりわかりやすくなります。
一方向からだけ光をあてたとき、影が強過ぎると感じる場合は、「レフ板」を使って、影のでき方(濃さ)を調整します。
レフ板なし
やや離れた位置にレフ板あり
かなり近い位置にレフ板あり
どの方向から、どれくらいの距離で光をあてたら良いのかは、繊維の太さや織られ方(あるいはどんな照明を使っているか)など、商品や道具によって異なるので、実際に照明を動かしながら確認してみる必要があります。
左側に撮影用照明
斜め右後方に撮影用照明
後(奥)側に撮影用照明
・光を一方向だけからあてて、繊維の影を作って撮る
・影が強過ぎる場合は、レフ板で調整する
この2点と、さらに、前述した置き方の工夫をすることで、素材感が伝わりやすい商品写真になるのだと考えて下さい。
2.光沢感は「撮影用照明の写り込み」で表現する
レザーのように、生地の光沢感を表現したい場合はどうしたら良いでしょう。答えは、「撮影用照明の写り込み」を利用して撮影することです。
撮影用照明の発光面が商品に写り込むと、その部分(範囲)は白く光って見えます。白く光って見える部分(範囲)は、どれくらいが良いのか、撮影用照明の写り込み加減を、照明の位置を微調整しながら見つけます。
写り込みなし
ほぼ全面に写り込みがある
写り込みを調整した結果
光沢のある素材は、写り込みのでき方を確認しながら、ウェーブをつくるなど、置き方も考えて撮影してみましょう。
靴やバッグなどの素材の光沢感を表現する場合も同様です。
ただし、きれいな写り込みを作るための照明は、広い発光面を持った撮影用照明が必要となります。
織物の素材感を伝える場合には、卓上用スタンドライトなどでも十分な効果が得られる場合がありますが、光沢感を美しく見せるためには、「点」で照らす照明ではなく、「広い面」で照らす撮影用照明を使ってこそ、きれいな写り込みが作れるのです。
卓上用スタンドなど、点光源の写り込み
撮影用照明による、面光源の写り込み
3.大胆な明暗差で「高級感」を強調する
ファッション関連の商品写真では、多くの場合、写真全体が明るいイメージの方が好印象になると思います。
しかし、「高級感」を強調したい場合は、思い切って商品の後ろ側、つまり背景を暗くして、明暗差をつけた方が効果的なこともあります。
これは推測ですが、写真(商品)全体が明るくはっきりと見えるのではなく、あえて暗い部分も作って、すべてが見え過ぎないようにすることで、非日常的な印象になって、特別感が高まるのかもしれません。
撮影状況は、商品のやや後ろ側から、商品に対して撮影用照明の光を逆光気味にあてて、商品の後ろ側(背景)が暗くなるようにしています。※背景も黒を使っています。
商品そのもの、あるいは、商品の置き方にもよりますが、逆光気味に光をあてると、商品の手前側は暗くなり過ぎることが多いので、その場合は、レフ板を使って、商品手前側の暗部の調整をすることが必要です。
レフ板なし
レフ板有り
明暗差の大きい写真は、好みが分かれるところでもあるので、「このように撮りましょう!」と言い切ることはしませんが、特に非日常的な高級感を強調したいときには、試してみてはいかがでしょうか。
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