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「真珠(パール)」の撮影
真珠そのものを撮る
次は、商品である真珠そのものをどう撮るかです。「丸みを伝える」「美しさや輝きを伝える」「大きさや状態を伝える」といったところがポイントとなるでしょうか。
ここでひとつ質問です。
真珠一粒を、イラストで描いてみて下さいといったら、どのように描きますか?
少しだけでも絵心がある方なら、きっとbのように描くのではないでしょうか。
注目してもらいたいのは、次のふたつの部分です。
陰影が表現されていることと、右上の方に、表面の光沢を表すイメージ、このふたつが、丸みと、美しさや輝きを伝えるために必要な要素となっているのです。
小さな丸い粒でも、立体感を伝えるためには、陰影が必要です。と言っても、陰影は、普通に置いて撮れば、自然とできるので、それほど気にせずとも良さそうです。
※デジカメのフラッシュなど、一点から強い光を発する照明を使うと、極端な陰影が着き過ぎてしまいます。 大きな面で商品を照らすことができる撮影用照明がない場合は、天井の蛍光灯照明や、窓から入る屋外の光 による明るさだけで撮影した方が、ベターな結果となりやすいです。
ではもうひとつはどうでしょう。この部分です。
実は、これこそが、宝石の美しさや輝きを伝えるための大切な要素となっています。
もう気づいた方もいるかもしれませんが、これは、照明の「写り込み」を表現したものに他ならないのです。
1.美しく見える写り込みを作る
イラストで、できるだけ美しく感じられるように真珠を描くとしたなら、多くの方が、前述したような感じに描くことでしょう。ということは、それが、ユーザーが持っている「美しい真珠」のイメージ、と言えそうです。
だとすれば、それと同じようなイメージの写真を撮ることを考えたらいいのです。
論より証拠ということで、実際にやってみましょう。
撮影状況は、これです。
撮影用照明の発光面の写り込みが、イラストに近くになるように、照らす位置・向き・距離などを調整して撮影したものです。
被写体となる真珠が小さいために、撮影用照明の位置をちょっと変えるだけでも、写り込み方は大きく変わります。そのため、写り込みの状態を確認しつつ、照明の微調整を何度か繰り返しますが、それさえできれば、多くの方が「美しい」とイメージしている真珠の見え方を、写真で再現することが可能なのです。
もしかしたら、美しい真珠を、こんなふうにイメージしている方もいるかもしれません。
撮影用照明に、丸くくり抜いた黒い紙を被せる。
これで、真珠には、イラストのような、丸い写り込みができます。
丸い写り込みの大きさは、黒い紙の円の大きさを変えたらよいだけです。
四角が良いのか、丸い方が良いのかは、個人の好みにもよるところですが、いずれにしても、真珠の表面に、撮影用照明の発光面の写り込みをいかに美しく作るかが、真珠そのものを撮影するときの重要なポイントとなっているのです。
真珠そのものを撮影し、美しいと感じてもらえるような商品写真にするためには、大きな面で真珠を照らして、美しい写り込みを作ることができる照明を使って撮影することが、一番の近道かもしれません。
2.大きさや状態を伝える写真はどう撮るか
真珠は、色だけでなく、大きさや形状などにも個体差があります。
では、それを写真でどのように伝えるかですが、基本中の基本は、アップで撮ることです。
ただ、これだけでは、色や形状がわかっても、大きさがわかりません。もちろん、テキストによる説明を書き添えるのは当然ですが、やはり商品写真で直観的に伝えたいところです。
そこで、真珠の大きさを伝える写真のパターンをいつくか見てみましょう。
定規を添えて撮る
最も誤解なく大きさを伝えられる方法だと思います。
でも、機械の部品の説明写真のようで、宝石の写真として考えると、イメージ的にそぐわしくないという感じもします。
定規のイラストを合成する
インターネットで検索すると、定規のイラスト素材を提供してくれているWebサイトもあります。その中から、気に入ったデザインの定規のイラストを見つけて、真珠の画像と合成してみます。
本物の定規を一緒に写すよりも、やわらかな印象となり、真珠自体のイメージを損なうことも少なくなりそうです。
その他のアイデア
商品写真の印象を優先しつつ、大きさを伝える場合には、その商品のイメージを損なうことなく、多くの方の大きさの認識が共通するものを一緒に写す、というのが、理想的と言えるかもしれません。
商品を説明するための写真とは言え、ワクワク、ドキドキしながら、美しい真珠の購入を検討しているユーザーに、あまりにも冷静で機械的な説明写真を見せるのは、デメリットもありそうです。
自店の販売方針や、ユーザーが求めているものが何なのかを、きちんと考えた上での写真の撮り方をする必要があります。
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