photo-zemiトップページ
Webセミナー
情報共有アンケート
セミナー講師のご依頼
photo-zemi運営
フォトゼミ・ラボ INDEX
下に読み進める矢印
実験No.02.スマホで商品写真撮影は?
  (このページです)
■実験No.02.
スマホのカメラで商品写真撮影は?

  スマートフォン内蔵のカメラは、どんどん高機能化しています。特に画素数は、普通のデジタルカメラと遜色ないところまできています。

木々と空の写真

  逆光撮影も何のその、こんなふうに撮れました。

  となると「商品写真撮影にも使えるのではないか?」そんな疑問が湧いてくるのは当然のことですね。
  そこで、フォトゼミ・ラボ ふたつめの実験は、スマホが商品写真撮影用のカメラとして使えるかどうかです。

解像度の検証

  まずは、高画素を誇るということで、解像度を検証してみましょう。
  実験に使ったスマホは「au DIGNO S」という機種で、カメラの画素数は約808万画素と公表されています。比較に使うデジタルカメラは、canonの一眼レフデジカメ「EOS KissX4」という機種です。もちろん、撮影画素数を、スマホに合わせて、800万画素に設定します。

スマホで撮影した時計 デジカメで撮影した時計
スマホで撮影した時計    デジカメで撮影した時計

  ほとんど差がなく、スマホの写真でも、ネットショップの商品写真として十分に実用レベルの解像度があるという結果でした。

色再現の検証

  続いて、色の再現性はどうでしょう。
  スマホとデジカメそれぞれで撮影した写真を並べて合成してみました。左の列がスマホ、右の列がデジカメの写真です。

  こうして見ると、ほとんど違いがありませんが、下の赤系の2本の色は、明らかに違うと言えます。ホワイトバランスは、どちらもオートの設定・照明は使わずに室内の自然の明るさだけで撮影、と、条件的には全く同じです。
  実験に使ったスマホの特性なのかもしれませんが、複雑な色が混ざり合った商品を撮影する場合は、ホワイトバランスをきちんと設定する必要があるようです。
  とは言え、改善策はあるので、色再現についても、まずまず合格というところでしょうか。
色再現の比較画像
■まとめ

今回の実験では、次のことがわかりました。

●最近のスマホの画素数があれば、
  商品写真も撮れる!
●色再現を考えてホワイトバランスを、
  きちんと設定&確認して撮ろう!

ということですね。

  しか~~~し!
  今回の実験で本当にわかったことは、実は違うのです。それは……

  スマホで商品写真を撮るのは、
面倒くさい!!   これです。

  商品写真では、撮影設定でいくつかの重要ポイントがありますが、その設定や操作がなかなか思うようにいかないのです。

露出補正が動作してしまう

  写真の明るさを調整するため、露出補正をしなくてはなりません。操作自体は画面タッチだけで便利なのですが、その他の操作も同様に画面タッチなので、調整したはずの露出補正まで動作してしまい、やり直さなければならないことが多くありました。

ズームも動いてしまう

  露出補正と同様に、ズームも、意図せず動いてしまい、調整を何度もやり直すこととなってしまいました。

手ブレ補正で防ぎきれないブレが発生

  手ブレはズームを望遠側にするほどに発生しやすくなります。しかし、商品撮影では、ズームを望遠側にして撮るのが基本。そのため、手ブレ補正をONにしてもブレやすいです。これは、通常のデジカメと違って、しっかりとホールディングできないことも原因でしょう。

同じ構図を保てない

  スマホで商品撮影をする場合、これが最大の問題となることがわかりました。

  三脚に固定できないスマホでは、最適と思う構図でカメラを固定することができません。これは商用として使う商品写真を撮影するには、大問題となります。スマホを手持ちで、露出やズームを操作しつつ、構図を固定して撮影を行うのは、不可能に近いと言わざるを得ません。

以上の結果から、フォトゼミ・ラボは、

 ●スマホでの商品写真撮影は
   おすすめしない

という結論を出します。
  スマホの高機能カメラは、その操作に精通し、任意の位置に固定する手段があるなら、商品写真撮影にも十分に活用できるでしょう。
  しかし、スマホならではの「気軽にパシャ」と撮っても高品質という、そのポテンシャルは、商品撮影には活かしづらいと言えます。
  風景写真やスナップ写真などでは、デジカメ以上に大活躍ができても、各種微調整が必要な商品写真撮影には、残念ながら不向きである、という検証結果となりました。

  フォトゼミ・ラボの実験第2回目、いかがでしたでしょうか。
  ネットショップ運営の中で、少しでも参考になりましたらうれしいです。

  最後に、今回の実験・検証は、スマートフォンのカメラを否定するものではなく、純粋に、ネットショップの通常の商品写真撮影に活かせるかどうかという点でのみの実験・検証であると、ご理解下さいますようお願いいたします。

  さて、第3回は、何にしましょう。